【レポ】ブヌン族のお祭りは伝統的な暮らしを伝える重要な儀式だった(射耳祭)

台湾の東部には原住民の人々が多く住んでおり、夏になると各地で豊作を祝う豊年祭が開かれます。

以前私がアミ族の集落に遊びに行ったときに、8月に豊年祭あるからおいでと言われたのですが、行ってみたいと思いつつ行けておりませんでした。

というのも、集落のお祭りの日程は村のリーダー達が村ごとに決めるもので、ずっと前から決まってはいないんです。(観光向けのお祭りは早めに日程が決まります)

直前に決まることもしばしば。なので、なかなか行くチャンスがつかめないんです。

ですが今回ラッキーなことに台東のブヌン族のお祭り(射耳祭)に行くことが出来ました!

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射耳祭とは

4月から5月の間に開かれる一年の中で最も盛り上がるブヌン族のお祭り。耳を射るとは、鹿などの動物を捕る意味です。男子の成長段階での重要な儀式。現在は収穫祭と運動会を兼ねて行われています。

近くにいるアミ族が7月8月にお祭りがあるのに対し、ブヌン族が4月5月にお祭りがあるのは主食が異なるためです。アミ族が米文化だけれどブヌン族の主食は粟(あわ)なんです!なるほど!

同じ台湾の中にある部族なのに主食が違うなんて!

ただ、このお祭りはもともとは部族の間で昔から伝統的に行われていたものらしいのですが、台湾に戒厳令が敷かれていた時代は禁止されていたそうです。民主化された後のここ十数年にお祭りが復活したとのことでした。

ブヌン族とは

で、ブヌン族はどんな人々かというと、

ブヌン族は台湾原住民の1つで、台湾中央山脈や台湾東部に海抜1000メートル以上の高山にいるとされています。現在の人口は5万7000人ほど(2017年4月現在)。

「八部合音」という独特の合唱方法が有名です。

日本統治時代にはブヌン族から兵隊に出た人もいました。

台東県海端郷射耳祭

この射耳祭は小さな集落ごとに行われており、今回私が参加した海端郷の射耳祭は海端郷全体の集落が集まった大きなものでした。(2017年5月26日・27日開催)

開催場所は台東県海端郷のブヌン族文物館です。

開会式の合唱『八部合音』に鳥肌が立つ

開会式が始まると、男性達が「オー」と声をあげつつ円陣を組み始めました。

この歌がブヌン族の独特の音とメロディーで『八部合音』と言われるもの。

おのおのが違う音を出し、音が重なってハーモニーを生み出します。

神々と交信しているような神秘的な響きを帯びていました。実際に聞くと鳥肌が立ちます

円陣の後には、それぞれの集落の代表が前に出て、鉄砲を鳴らし開会の合図をしました。

昔の暮らしを再現したパフォーマンス

お祭りの構成は主に歌や踊り、競技、昔の生活を再現したパフォーマンスです。

さあパフォーマンスが始まりました。

女性達が食事のしたくや服作りをしていると、男性達が登場。狩りを始めました。

鹿を捕っているようです。服装も昔の伝統的な衣装。

現在は原住民の暮らしも現代化していて、子ども達に昔の様子を伝える為にこのような昔の様子を再現しているそうです。

ブヌン族の主食の粟を収穫している様子。後ろの人が手を挙げているのは、喜びを表現しているのでしょうか。

運動会の競技も原住民の暮らしと関連している!

出し物が終わると、運動会の競技が始まりました。

何が始まるかと思ったら、丸太を運んでいます

1つ30キロもある丸太を頭で支えて運んで競い合うレースです。

女性も30キロの丸太を男性同様運びます。

ブヌン族は男女平等だそうで、役割分担はあれど、立場は平等だそうです。アミ族は女系社会だし、台湾の原住民は進んでいるなあ。

丸太を運ぶ他にも、獲物を捕まえるための罠を作るレースもありました。

早く正確に作ることが求められます。

真剣にレースをしているときでも、隣のチームに茶々を入れ合ったりするという、緊張がありつつも和やかな雰囲気。台湾のこういう明るく緩いところが好きです。

長老らしき人が若者達が作る罠を心配そうに見守っていました。

この他にも、捕ったイノシシを早く綺麗にさばくレースや弓で獲物を正確に射るレースなどがありました。

【番外編】日本語がペラペラのおばあさんと出会った

祭りが行われている広場の横に屋台が沢山並んでいました。その屋台の1つに日本語がとても流暢なおばあさん(Tさん)がいました。

歳は70歳で、日本時代が終わった後に生まれたので日本教育は受けていません

ではなぜ、日本語が話せるのでしょう。

話を聞くと、ご両親がプユマ族とルカイ族の方で、両親の共通語が日本語だったそうです。

台湾の原住民の間では部族が違うと言葉は通じません。

なので日本教育を受けた原住民同士の共通言語は日本語だったのです。

それで子どものTさんも日本語を覚えたということでした。

日本語世代ではなく留学経験もないのに、ここまで流暢に日本語を話す方とは初めて出会いました。

台湾の中では都市部よりも原住民のほうが日本語が残っているという噂は聞いていたのですが、こうして目の当たりにすると本当だったのかと驚きました。

まとめ

いやあ、ブヌン族の射耳祭、面白かったです。

一番よかったのが開会式の人々が「オー」と声をだしつつ円になるところ。声が重なって、できるハーモニーがとても迫力があってずっと聞いていたかった。

あと、どこにでもある普通の運動会と違って、ブヌン族の暮らしに根付いた種目だったので面白かったんですよね。できることならもう少し長くいたかった。

あと、屋台もたくさんあって、ソーセージがまた美味しいんですわ!少し甘くて、でもしっかり肉の味がしていて。竹の中に入ったおこわみたいなのも売ってました。

台湾の原住民のお祭り、情報が手に入りにくいのが難点ですが、おすすめです!

ブヌン族以外の他の部族のお祭りも面白いですよ!

(訪問日2017年5月27日)

参考に、ブヌン族の八部合音のリンクを張っておきます。合唱は2:46頃から始まります。

Information

『海端鄉聯合射耳祭』

日時 毎年5月の終わり頃

会場 海端鄉布農族文化館(台東県海端郷海端村2鄰山平56號)*変更の可能性があります

ホームページ 臺東縣海端鄉布農族文物館

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