高雄に眠る戦争遺産「鳳山無線通信所」で時代の爪痕を見る

02.台湾マニアック観光

台湾の南部・高雄には、元日本海軍の無線通信所の跡があります。

行って驚いたのが、100年も前に建てられた建物が今もしっかりと残ってるんですよね!

でもさらに驚いたのは、そこに台湾の暗黒時代の跡がしっかりと残されていたこと。多くの方が無実の罪で捕まり、殺されていったことを忘れてはいけないのです。

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鳳山無線通信所とは

1917年(大正6年)に台湾で最初にできた日本海軍の無線電信所です。鳳山無線通信所は船橋と針尾(九州南部)のものと並び、当時の三大無線通信所でした。

19世紀末日本海軍の行動範囲が中国大陸と南洋と広がり、長距離無線通信の必要性が高まったことで当時の最先端の技術を結集して作られたのです。

戦後1949年~1962年の間は「鳳山招待所」と名前が変わり、政治犯とされた人がここで監禁拘留されました。1963年~2001年までは海軍の訓練センターとして使われていました。

現在は施設の一部が開放されており、無料で見学することができます。

鳳山無線通信所の中は

地図を見ると最寄り駅から歩いて10分ほどなのですが、曲がる場所を間違えて遠回りしてしまいました。大きな道路の突き当たりに無線通信所跡がありました。

門から入って右側に受付があります。日本語のパンフレットもありました。入場料はかかりません。

赤いレンガが鮮やかですね。教室の棟は綺麗に保存されています。

大きな倉庫でしょうか。敵からの攻撃があっても耐えられるようにかなり頑強に作られています。扉も鋼鉄です。

大きな木と共生しているような小さな塁。

 

これが無線通信所のメイン。十字型の建物です。

扉が重厚ですね。これなら爆弾による攻撃にも耐えられそう。

海軍のマーク

内部は何も物がないので声がよく響きます。ガラーンとした建物に自分1人だと確かに怖い…。

わざとらしく置かれたイス。誰か撮影用に置いてそのままにしていったのでしょう。

海軍のマークがどこか不気味な笑みに見える。

白色テロ時代の爪あと

戦後、無線通信所は「鳳山招待所」として、白色テロによりあらぬ容疑にかけられて多くの人が拘留された場所でした。

禁閉室

構内を歩いていると「禁閉室」という物騒な感じの建物が。

説明文訳「日本統治時代に建てられたものと推測される。用途は不明。鳳山招待所時代は人を拘束するための部屋だった。」

自殺ができないように壁にクッションが敷き詰められているという。こんなので自殺を防げるのか…?

扉を閉めると日光がなかなか入ってこない。真っ暗な空間。

見張り台らしき建物。階段は途中にはりがねがあって上に登れないようになっていました。

独居房

窓もなく狭い一畳ほどの空間。ここに入れられるのは嫌だな。

磔台(はりつけだい)?

通り過ぎたときは気づかなかったけど、これは人を縛り付けておく台ではないだろうか。そう考えるともうそれにしか見えない。なにか分かる人いたら教えてください。

水牢

日本統治時代は貯水槽。白色テロ時代は「水牢」(水責めの牢屋とか怖すぎ!)だったというけど、真偽の程は定かではない。

底がかなり深いのでこんな所に落ちたら戻れる気がしない。

見学するときも落ちないように気を付けて!!

外から見ると小さな塁に見える。

旧日本海軍鳳山無線通信所への行き方

最寄り駅は鳳山國中駅。高雄の中心地からは少し離れています。

 駅から徒歩10分ほどで着きます。

おわりに

まさか日本統治時代の建物を見に来たつもりが、白色テロ時代の強烈な名残を見ることになるとは…。

訪れたときは戦争遺産を見に来たつもりだったので「なんで元通信基地に独居房があるんだろう」と思っただけで、特に気にも留めませんでした。

今調べて振り返ると、白色テロ時代に使われていたものだったんですね。

施設全体を覆う薄暗い雰囲気の謎が解けました。

構内は広いですが一時間あれば全体は回れます。観光客はほとんどみかけませんでしたが、写真をとっているカップルの姿がありました。高雄に行く際にはおすすめの穴場、というか廃墟スポットです。

(訪問日 2017年1月15日)

追記(2018年7月24日)

高雄出身の台湾人の友人にこの通信所の話をしたら、地元では有名な心霊スポットとのこと。でも肝試しをするにしては舞台がリアルすぎるような…。

 

Information

『原日本海軍鳳山無線電信所(旧日本海軍鳳山無線通信所)』

開放日 9:00~17:00(月曜日休み)

入場料 無料

参考 映像資料「歴史的見證者 鳳山招待所」

【高雄旅遊景點】日本海軍鳳山無線電信所。前明德訓練班

 

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