今回は東北に鉱山を求めてやって来た回の後編です。
友人Rさんの案内で秋田県大館市の温泉地に泊まり、そこから出発して秋田県鹿角市の尾去沢鉱山へと向かいました。
目次
映画館「御成座」へ
以前からXでフォローしていた、秋田県大館市の映画館『御成座(おなりざ)』さん。
手描きの絵看板が有名で、インド映画の歌って踊る応援上映など、工夫をほどこされたイベントも企画されてます。
また、放し飼いにされていた白うさぎの「てっぴー」はみんなのアイドルでした…(2021年にお空に旅立たれました)。私もてっぴーのおかげで御成座ファンになった一人です。
秋田県にあることは知っていたのですが、まさか宿のすぐ近くにあったとは!
「親戚のおじさんも高校生の時に映画をよく見に来てたんだって」と大館にゆかりのあるRさん。地元の人たちから、長く愛されてきたようです。
今回は時間の関係で外観を見るのみでしたが、次は映画を見ていきたいです。
山道を避けて鉱山へ
いよいよ尾去沢鉱山へ向かいます。
Rさんが前日に大館の親戚から熊情報を仕入れてきてくれて、熊が出そうな山道は避けて、大きな道から行くことにしました。
道路沿いからはりんごの木が見えました。りんごや柿、梨を売る果物の直売所があちこちにあります。
今年はクマの農産物への被害が大きいと聞いていますが、経営は成り立っているのでしょうか…。
尾去沢鉱山に到着!
10時30分頃に着きましたが、すでに車が5台ほど停まっていました。
愛媛、石川、岩手、八戸と県外ナンバーばかり!
連日の熊のニュースにもめげずにやってきた、猛者たちですね。
やはり、みなさん来年2026年3月末での一般公開終了前に見学しようと、遠くから訪れているのでしょう。
尾去沢鉱山とは
尾去沢鉱山は秋田県鹿角市あります。
708年(奈良時代)に銅山が発見されたと伝わっており、江戸時代には南部藩の管理下で開発が進みました。明治時代には岩崎家(三菱)に鉱業権がわたり本格的な開発が行われ、昭和時代には全国有数の銅山となりました。
主に銅が採れたほか、金・銀なども産出されました。
1978年に閉山したのち、観光施設として公開され、当時の採掘の様子や鉱山の歴史を伝えています。

銅は銅線やケーブル、半導体の内部などに使われています。思ったよりも身近に使われてました!
総長2.8kmの坑道へ!
坑道の総延長は800km以上ともいわれています。
そのうち2.8kmが観光坑道として中に入ることができます。
前半の1.1kmの標準コースでは主に採掘跡を、後半の1.7kmではマネキン人形で再現された労働現場を見学するかたちとなっています。
グランドマインキャニオン!
この迫力は、写真では伝えきれません。上下に広い空間が広がっており、スピーカーの解説音が遠くまで響きます。
鉱山の坑道といえば水平方向や斜め下に掘り進めるイメージでしたが、上下に縦に掘っていく方法もある、というのが今回の旅の収穫でした。
シュリンゲージ採掘法によって上下に掘られた空間。音の響きからその広さをお分かりいただけるだろうか。
こちらは尾去沢鉱山の施設の中でも大規模な、その名もグレートマインキャニオン!#尾去沢鉱山 pic.twitter.com/bFLMnt0ZOi— こやまぐ (@bananbe90) December 28, 2025
炭鉱の話になりますが、坑道は岩圧によって毎日動いており、昨日通れた道が通れなくなった、ということもあるそうです。
それを思うと、今日までこうして何十メートルの空間が残っているのは、岩盤が安定しているからこそなのですね。

このような変わった形の断面は…

こんな風に掘られて作られたのですね!
鉱山マンたちの労働環境をのぞいて見よう!
観光坑道の最奥部には坑内事務所がありました。

実際の昼食時の写真。みなさん上半身裸ですね。見学時は13度程度と寒かったのですが、実際は暑かったのかもしれません。

標語は全て「安全」について。危険と隣り合わせの現場と言うことが伝わります。
働くマネキン人形と、マイキーと

働くマネキンの雑誌があったら、表紙にしたい
尾去沢鉱山のマネキン人形は、みなさん西洋風のお顔立ち。
「マイキーみたい」と言ったら、分かる人もいるでしょうか。
マイキーとは、『オー!マイキー』の主人公の名前で、日本で暮らすアメリカ人の”理想的”な家族をマネキン人形で描くブラックコメディです。
マネキンたちの不気味な動きが癖になるんです。
そう、私にとってマネキン人形たちはこのように動いて見えているのです!
マイキーを見返してみると、自分のマネキン人形好きの原点はマイキーにある気がしてきた!
江戸時代の採掘跡へ
出口に近づくと、江戸時代の採掘の様子が展示されていました。

実際はほんの火の周りしか見えない状況だったと思うので、採掘はかなり難しい作業だったことでしょう。
山奥まで逃れてきた隠れキリシタン
自らの信仰を守るため、キリシタンがこの東北の山奥まで逃れてきたそうです。
隠れキリシタンといえば、九州だけのことだと思っていたのですが、ここまで来ていたことに驚きました。
当時の奥羽地方は、とんでもない山深さで、遠くの地からやってくるには勇気のいる土地だったと思います。
それでも、ここまでやって来たという事実に、信仰心がどれだけ人を動かすのか、そしてどれほど信仰心を侵害されたらここまで逃げてこようと決断をするのか、考えさせられました。
選鉱場の資料
かつての火薬庫置き場には選鉱場の資料が展示されていました。
坑道から出たところにある資料館には、鉱山労働者やその家族たちの写真の展示がありました。
山の斜面一体にある社宅!
製錬所跡を眺める
かつてはトロッコで坑内に入れる仕様だったそうです。そのトロッコにつながる施設は一部解体されていました。上へと続く通路があったようです。
製錬所跡も残っていますが、立入禁止のため近ずくことはできませんでした。
楽しい高速道路のサービスエリアたち

こういう普通の醤油ラーメンがおいしいんですよね

豚汁定食!お米がツヤツヤでした。
今回は、栃木から秋田県大館までの往復に合計5〜6回、サービスエリアやパーキングエリアに立ち寄りました。
どこもきれいに整備されていて、「私の知っている”サービスエリア”と全然違う!」と感動しっぱなし。
ご飯も美味しいく、お土産もご当地のものがたくさん並んでいて、歩くだけで楽しい。
サービスエリアも、誇るべき日本の文化ではないでしょうか。
旅の終わりに
尾去沢鉱山のシュリンゲージ採掘跡は、まさに圧巻でした。他にも、採掘の現場の様子が分かる人形たち、道路脇から見える製錬所跡や選鉱場跡…。
一般公開終了前に、少し不便でも多くの人に足を運んでもらいたい施設です。
今回、車を出して一緒に回ってくれたRさんには、本当に感謝してます!
目的地の鉱山のことしか頭になかった私でも、Rさんの「きれいだね〜」の言葉のおかげで、紅葉や虹の存在に気づくことができました。
楽しい旅をありがとうございました!

道の駅で売っていたバター餅。モチ米の美味しさとバターのやさしさが口に広がりました。これ好き!
施設情報
史跡「尾去沢鉱山」
2026年3月31日で一般参観する予定です。
それ以降は社会科見学を目的とした、修学旅行、校外学習、大学、学会、研修、社会科見学ツアー等の見学に限る。一般のお客様(個人、一般旅行ツアー等)は対象外とのこと。
住所 秋田県鹿角市尾去沢字獅子沢13-5
Webサイト http://www.osarizawa.jp/
2025年11月訪問
