台湾には日本歌謡を専門に扱う日本語カラオケなるものがあります。
噂に聞くと、台湾の人々が集まって日本語の演歌を歌っているらしい。
そこに行けば日本語世代の方々に会えるのでは…と思っていたのですが、今回知り合いの方に連れて行ってもらうことができました!
*日本語カラオケは大きな部屋にカラオケの機械が1つあって知らない人と一緒に歌うタイプのカラオケです。日本で一般的な個室のカラオケはKTV(ケイティーヴィー)と呼ばれ、また別のものです。
地下へ行く
で、なぜか地下に行くことに。
今回行ったのは台北の郊外にある小さなカラオケ屋さんなんですけどね。
地下にあるらしいんですわ。しかも地下6階に。
地下6階なんて聞いたことないよ!建築基準法とか大丈夫なの?と心配しつつ地下へ降りる。
最初はびびってたけど、降りていくうちに、地下組織に潜入するようでワクワクしてきました(←単純)
扉には名前がないけれど、音が中から聞こえます。
こ、ここでいいのか…?
開けてみるとすでに8人ほどのお客さんたちが歌っていました。
みなさんが歌っているのは演歌。演歌。演歌!知らない曲ばかりでした。
どこで知るんだろうという感じ。
台湾語の歌を歌っている方も数名いました。
みなさん相当歌い込んでいるのか、めちゃくちゃ上手です。日本語も違和感がありません。
みんなこんなに上手なら、私、間違えられない。汗汗
参加している人々はみな台湾人。60代以上の女性が主です。他にも夫婦で来ている人や一人で来ているおじいさんもいました。70過ぎて夫婦でカラオケ来るとか、仲がよくていいなあ。
歌う方法
歌うときは、事前に紙に歌いたい曲名を書きます。置いてある本の中に載っていない新しい曲でも、オーナーさんが探してくれます。
「君の名は」の前前前世を歌おうと思ったのですが、ありませんでした…。流石に新しすぎたかも。笑
紙に曲名を書くと、オーナーさんが一人一曲ずつ歌えるように順番を調整してくれます。
歌ってみた
一曲目はここ1年ハマっている『異邦人』を歌ったのですが、間奏の時にみなさん毎回拍手をしてくれるんですね(誰が歌っても拍手がある)。
それがもう快感で。
私の歌なんかみんな聞いても楽しくないだろうにと申し訳なく思っている心に、拍手が染み渡ります。
み、みんなありがとう!聞いてくれてありがとう!
と、思わずお辞儀をしてしまう。
大勢の前で歌うタイプのカラオケって歌う回数が少ないし、なんだかなと思っていたのですが、この拍手がもうやみつきになるんだなと分かりました。
手拍子とかもう最高ですね。なんの反応もないと、ほんとうに寂しい。笑
おばちゃんが話しかけてくる
他の人が歌っているときに、常連のおばちゃんたちが話しかけてきてくれました。
中には日本語が達者なおばちゃんも。日本の歌が好きで、学生の頃に日本語を勉強をして、今もよく日本に旅行に行くというおばちゃん。
今どのくらい台湾にいるの?
どこの学校に行ってるの?
などと質問が続きます。最後に、最近よく見ているという日本語を勉強するためのYoutube番組を見せてくれました。(見せてきた理由はよく分からない)
こういう、普段会わない人と出会えるのもカラオケのいいところです。
見どころ
面白いなあと思ったのは曲の合間に
「○○さん、ありがとうございましたー。次は△△さん」
と日本語で司会が入ることです。笑
台湾にいるのに日本にいるような不思議な気分になります。笑
このオーナーさんが面白くて、なぜこのカラオケ店を始めたのかというと、日本語の歌がすごく好きで、十数年前にいまの部屋を買ったときにこのまま使わないのはもったいないと思い、毎週日曜日だけカラオケを開くようになったとのこと。
いくら好きでも十数年も続けるのは本当に大変なことだと思います。すごいなあ。
(趣味でカラオケ店をされているということで、こちらのお店は週に一度、日曜日のみ開いています)
まとめ
私はカラオケは少人数で行ってひたすら歌を歌うのが好きなので、大勢で歌うカラオケって意味あるのかしらと思っていたほどなのですが、今回行ってみて意見が変わりました。
拍手が本当に気持ちがよい!カラオケボックスにはない気持ちよさがあることが分かりました。
あと、今回カラオケ店のオーナーさんや常連さん達に大変あたたかく迎えていただき、「また来なさい」と何度も声をかけてもらいまいました。
一度行くと2~3時間滞在することになるので頻繁に行くことは難しいですが、また行きたいです!
もしディープな台湾を味わいたいという方がいたら、日本語カラオケはおすすめです。
台北だけでなく、中部や南部にもカラオケ屋さんはあるので機会があったら行ってみてください!