台北の観光スポットのひとつ「龍山寺」は台湾のガイドブックに縁結びのパワースポットとして取り上げられているそうですが、
実際のところ、あの付近はそんなかわいらしい場所ではございません。
すぐ近くにある華西街観光夜市は廃れた商店街を思い起こさせるし、少し細道に行けば売春街がまだ軒を連ねている。
さらに、治安が悪いということでガイドブックにも注意書きがしてあるほどなのです。
しかしながら、あの界隈は台北の中でも歴史ある古い街であり、まちあるきをする価値は十分にあります。
歩く場所に気を付けて、昼間で複数人で歩けば、他では見ることのできないディープな台湾を味わえること間違いなし。
今回は龍山寺周辺の萬華エリアの中でも観光客が行っても大丈夫(?)なエリアをご紹介します。
ディープな台湾を味わえるスポット7つ
艋舺公園 昼間から集まる老人達
MRT龍山寺駅を出るとすぐ近くに公園があります。
第一印象は「な、なんなんだここは…」。
よく見ると分かるのですが、ご老人達がたむろしている異様な風景です。よく見るとあちらこちらで将棋をしていて、それを人々が囲って見ています。
談笑をする人、将棋をする人、カラオケをする人など様々。
時によっては日本語の演歌が歌われている場合もあります。
時間のあるおじいちゃん達が時間をつぶす憩いの場なんですね。
ここは他の台湾の場所ではなかなか見られない台湾人の人間臭い部分です。
新富町文化市場の跡
この萬華というエリアは台北の下町で台湾の昔ながらの景色がぎゅっと凝縮されて残っている地域です。
台湾の伝統的な市場も周辺にいくつかあり、一部は公共施設になっていて中で展示が行われていたりします。
こちらは日本統治時代からある新富町文化市場で、建物が綺麗に修復されて中に入れるようになっています。
建物の中はかつての様子が残されていました。
こちらは昔の様子を再現した模型です。精巧に作られています。
剝皮寮歷史街區
新富町文化市場から北へ行くと見えてくるのがレトロなレンガの建物。
台北ナビによると、「台湾の伝統的な建築様式と、洋風なバロック様式が渾然一体となった剥皮寮の街並み」とのこと。
通りに面した場所だけでなく、町の一区画に古い街並みが保存されています。たまに展示会を開いています。私が行ったときは芸術家の作品展が行われていました。
ただこのエリア、建物が補修され綺麗になりすぎて趣に欠けるのが残念です。
薬草の香りが道に広がる青草街
龍山寺の西側の小さな路地に入ると、どこからか薬草の香りが漂ってきます。どこかエキゾチックな香り。歩いて行くとアロエが印象的な薬草のお店達が軒を連ねていました。
龍山寺には医療の神様が奉られており、多くの信者が神様にお参りをしに来たというところからこの地に薬草のお店が増えたということです。
左側の棚にある袋はお茶の袋です。高血圧や血糖を抑えるような効果のあるお茶もあります。
お店の外には薬草茶が売られています。砂糖の入っていないものもあります。薬草茶は飲んでみるととても健康的な気分になります。
南無阿弥陀仏の大合唱 龍山寺
龍山寺は中国清朝時代およそ300年前からある歴史あるお寺です。
中に入ると大勢の人々がいて、合唱していました。
よく聞くと「な~むあ~みだ~」と言っています。
南無阿弥陀仏だ!普通の人々が南無阿弥陀仏をこんなふうに合唱している場面には初めて出くわしました。
時間が合えば聞くことができるかもしれません。ちなみに私は平日午後4時くらいに行きました。
蛇のスープが有名な華西街観光夜市
さあここからが本番です。
龍山寺を出て右の方の通りを進み、さらに右に曲がると大きなゲートが見えてきます。そこが華西街観光夜市です。
夜市というと屋台が並んでいるものを想像しがちですが、華西街観光夜市は商店街のようです。夕方に行ったのでシャッターが閉まっているお店もありました。
どこにでもある海鮮のお店もあれば、
蛇の血やスッポンを売りにしたお店もあります。
なぜこういうお店があるかというと、このすぐ近くに昔からの売春街があるからなんです。なるほど~という感じ。
ちょっといかがわしいお店に見えますが、普通のマッサージ店(多分)。
ネクタイやライターなどの小物を売っているお店。
怪しげな横道
夜市に至る道で少し脇を見ると怪しい階段やゲームセンターがあります。そしてよく見ると女性が立っています。薄暗くてよく見えませんが、年齢は高めのようです。
その他にも怪しげなお店が小路に入るといくつもあります。
「艶」って…
狭い路地に軒を連ねているおみせ。
龍山寺周辺の細い路地はこういうお店が多いので、入って行くのは避けたほうがいいでしょう。
普通の観光地じゃ物足りない人は萬華(龍山寺周辺)がおすすめ
「普通の観光地に行くだけじゃつまらない!」という友人が来たときは私はこの龍山寺周辺を案内します。
ここに来ると、台湾の伝統的な空気を感じることができるからです。
だいたいのルートは、MRT龍山寺駅→新富町文化市場→龍山寺→青草街→剝皮寮歷史街區→華西街観光夜市です。
ただ、普通の観光地ではなくヤ○○もいる危ない場所なので、行く際は十分ご注意ください。
Information
『龍山寺』
住所 台北市広州街211号