どうも、コヤマです。
台北から士林夜市に向かう際MRTに乗っていると、車窓から廃墟らしき観覧車が見えていてずっと気になっていました。
実はそこは歴史ある児童遊園地の跡地だったのです。
かつては台北っ子なら一度は行く定番スポットだったようですが…。
廃墟になっていた場所が公園にリニューアルされ、一般公開されているということで行ってきました。
日本統治時代の昭和9年(1934年)に開園
この児童遊園地、かつては「兒童樂園(兒童育樂中心)」という名前で市民から親しまれていました。
その歴史は日本統治時代にまで遡ります。
1934年(昭和9年)に開園し、台湾で最も古くかつ唯一の公営の児童遊園地でした。
しかし1980年代後半になり木柵エリアに台北市立動物園が移転し、競争が激しくなり入園者は減っていったそうです。
2014年にお隣の士林に新しい児童遊園地ができ、こちらの遊園地は閉園。その後はこのエリアは立ち入り禁止になっていました。
しかし2019年6月15日から市民向けの自然公園として再整備され、一般公開されることになりました。
入口は2箇所
入り口は圓山駅からすぐの「水門(写真左上)」と隣接する「公園エリアの入口(写真下側)」の2箇所から入れます。
Googleで見ると右側からも入れそうな道(図右の青の矢印)がありますが、塞がっていて入れません。
現在は塞がれているかつての入口ゲート
かつてのチケット売り場
水門側入口が便利
廃墟の様子が残っている遊園地エリアのみを見る場合は、水門側入口が便利です。圓山駅を出て徒歩5分〜10分ほどで着きます。
歴史ゾーン(伝統建築コーナー)もほぼ廃墟
公園エリアから道を探して行くと、伝統的な中華様式の建物群のエリアに入りました。
ここは児童遊園地閉園後もずっと公開されているエリアなのですが…。
ああ、これは・・・。
入った瞬間に感じる、この作りものの世界(テーマパークとも言う)のいびつな雰囲気。
全く使われておらず、中身のない殻だけの生活臭のない建物たち。
こういうものに無性に心惹かれるのは何故なのでしょうね…。
世界中の有名観光地のミニチュアを集めたテーマパークで有名な兵庫県姫路の太陽公園を思い出しました。
⇨https://www.taiyo-park.com/
以前はスピーカーで解説が流れていたり、伝統芸能のパフォーマンスなどが行われていて活気があったようですが、今は静まり返っています。建物も全て鍵がかかっていて中に入れません。
雨だったせいもあるのか人はほぼおらず、大変心細く歩いていきました。
冒険気分が味わえる園内マップ
この地図が曲者で、非常に分かりにくい。実際の道の様子と結構違います。
このマップとGoogleのGPSで位置を確認しつつ、前に進んでいきました。
真ん中の伝統的な住宅群を抜けると高台の広場に出ました。とても見晴らしがよいです。
松山空港が近いので着陸する飛行機が間近で見れます。
「昨日までの世界」というパラレルワールド
「昨日世界」と書かれている。
どうやらさっきまでいた場所は「昨日世界」という歴史を学ぶエリアだったようです。
これ、「昨日までの世界」と訳すとなんか不思議な感じがしてきませんか。
え?自分はさっきまで「昨日までの世界」にいたの?現在の自分はここにいるのに?
となんだかパラレルな世界観です。
歴史というものは遠い昔の話ではなく、昨日を含めた今この瞬間よりちょっと前のことなのだと気づかされました。
参考:活気があった頃の様子 【圓山兒童樂園】兒童育樂中心之「昨日世界」分享~
児童遊園地のエリアは3つ
調べると、この児童遊園地は3つのエリアに分かれていたようです。
①遊樂世界:遊園地ゾーン(公開エリア)←今回自然公園としてリニューアルされた
観覧車やメリーゴーランドなどの乗り物で遊べるエリア
②明日世界:未来ゾーン(封鎖)
科学館や3D劇場など未来を意識したエリア
③昨日世界:歴史ゾーン(公開エリア)
台湾の伝統的な建築が展示されているエリア
トゥモローランド(明日世界)へ
残念ながら明日世界ならぬトゥモローランド(と言ってみたかった)は封鎖されていました。
現役時代に行った人のブログを読むと、
子どもたちが楽しく自然科学が学べる科学館があり、最先端の3D映像が見られる劇場もあったようです。
他のエリアは入れるのに、未来のエリアだけ入れないなんて、未来が見えない今の世の中を暗示しているのでしょうか…。なんて
さらに進んで遊園地エリアへ
遊園地エリアへの正式な入り口は入れないようになっていました。
奥にある坂道を下って行きます。
この道〜は〜♫ 他に歩いている人がおらず、雨の中ぷるぷる震えながら歩いた道〜♫。
廃墟の風味そのままのメリーゴーランドと観覧車
見えた!本日のお目当てのメリーゴーランド!!
かつては音楽とともに回っていたメリーゴーランド。今は時を止めています。
目を閉じると子ども達の楽しそうな声が聞こえてくるようです。もうそのような機会は2度とないのでしょうがね…。
装飾が凝っており、台湾の風景があしらわれているのが特徴です。
一つ一つ見るのも楽しいです。
台湾の伝統的人形劇ポテヒ(布袋戯)を鑑賞する子どもたち
盲目の歌うたいの人たち
カラフルな観覧車
メリーゴーランド、観覧車共に保存状態はよく綺麗に残されています。
しかし昔はあったというメリーゴーランドと観覧車以外の乗り物(コーヒーカップ、ゴーカート、空中ブランコ)やチケット売り場は綺麗に撤去されていました。
自然公園として今後は開放していくということで、飾りとして目立つものだけ残したのでしょう。
修復はされていないので廃墟の風味もありますが、あと10年くらいたてばより熟成されて味わい深くなると思われます(廃墟の期間は2014年からの5年間)。
!!注意!!
観覧車・メリーゴーランドに乗って遊ぶことはできません。
遊園地エリアだけはそこまで広くないのですが、歴史ゾーンなどを含めるとかなり広大なので所要時間2時間くらいは見ておいたほうがよいかもしれません。
大きくなった元子ども達へ
歴史ゾーン、遊園地ゾーン全てにおいて子ども向けの要素はすっかりなくなってしまっている元児童遊園地。
遊園地の繁栄の時代を知る人も知らない人も、昔の様子を想像しながら歩いて見ると楽しいかもしれません。
<参考>
2005年9月16日ちびっ子に大人気!台北市立児童育楽中心(旅々台湾) https://www.tabitabi-taipei.com/more/2005/0916/
乘載你我快樂回憶的兒童樂園:摩天輪、遊園小電車與碰碰車 https://www.thenewslens.com/article/111669
台北市立 兒童育樂中心 (兒童樂園) http://mays5.weebly.com/9679-21488212712406631435-208183146132946271382001324515.html
Information
圓山自然景觀公園(圓山舊兒童樂園)
住所:台北市中山區玉門街33號
アクセス:MRT圓山駅徒歩5分(水門側入り口)
開放時間:08:00~17:00(定休日なし)
無料
URL:travel taipei https://www.travel.taipei/zh-tw/news/details/20170