弾丸で沖縄に2泊3日で行って来ました。これが私初沖縄となります。
私の中にある沖縄のイメージは、温暖な気候とカラフルな色彩、明るいテンポの琉球音楽、米軍基地問題、沖縄戦というもの。
「沖縄は昔琉球王国で独自の国や文化を持っていた」とは教科書で読んだことはありましたが、それがどういうことなのかよく分かっていませんでした。
今回那覇の街を少し歩くだけでも私の見慣れた日本の景色とは違う沖縄の独自の歴史や文化を感じることができました。
シーサーとの遭遇
那覇空港からホテルに直接向かいました。
モノレール美栄駅を降りたところは普通の住宅街で、少し歩くと東京の新宿のようなビル街がありました。
沖縄といっても、そんなに他の地方都市とオフィス街の様子は変わらないな…と少し寂しく思っていたのだけど…。
よ〜く見ると。いた。
シーサーが!!!!!
真新しいビルの前にも普通にいるんですね。シーサーって。
いろんなシーサーがいて見ていて飽きません。
沖縄と台湾とコンクリート建築
街を歩いていて目についたのは、低層のアパートです。
新しいマンションは東京にあるのと似たようなものだけど、築30年〜築50年とかのアパート類は様子が違っていました。私が好きな昭和30年代に建てられたような低層階のがっしりとした建物が多かったのです。
ああ、台湾のと似ているんだ…。どこか見たことのあるような感覚。
てっきりこのような鉄筋コンクリート造りの建物は台湾の戦後の文化かと思っていたのですが、違うようですね。
沖縄は戦後のアメリカ軍の統治時代にコンクリート造りの技術が持ち込まれてコンクリの家が普及したそうです。(参考書籍 沖縄島建築)
沖縄も台湾も高温多湿な気候で猛烈な台風がしょっちゅう来ますし、コンクリートでないと耐えられないですね。
花ブロックに目を奪われる
また非常に特徴的なのが「ブロック」です。
コンクリートのブロックで外壁の模様が作られていて目をひきます(『花ブロック』というらしい)。おしゃれな模様であるだけでなく、直射日光を遮りつつ光を取り入れるようになっていました。
ブロックの影をみるのも楽しいですね。
首里城から那覇のまちを望む
那覇に来たら首里城へ行かねば…と思い首里へ向かいました。モノレールの駅から正門へ向かいます。
首里城の壁。なんか先が尖っている!見たことのない形状で、自分が知っている城とは別のものだと気がつきます。
城壁の様子が全然違う時点で、ここはかつて別の国だったんだなと実感しました。
長い階段を登った先の首里城からの眺めが良かったです。ここであれば、港にどんな船が来るのかよく見える。
坂が楽しい
那覇の街はなだらかな坂が多いです。
いつも平らな盆地(台北)で暮らしているため、坂があると登りたくなります。その先に何があるのか、そこからどんな景色が見渡せるのか見てみたくなるなるからです。
首里城は那覇の街の中でも高いところにあるので周辺には坂が多く歩きがいがありました。
アジアの香り漂う「栄町市場」
沖縄の市場は『アジアだ』ということは聞いたことはありました。
私が行ったのは栄町市場。通りの細さ、建物の古さがアジアにある市場と似ていました。若い人が多く働いていたのが印象的。他の市場は今回行ってないけど、比較するために行ってみたい。
「神の島」と呼ばれる久高島へ
「神の島」と呼ばれる久高島へ向かいました。
神を祭る御嶽や拝所がいたるところにあるという。
信仰というものはその土地の思想と深く結びついているものなので沖縄を知るために行ってみたかったのです。
1時間300円で自転車を借りて、島を回りました。
入り組んだ迷路のような住宅エリアを通り過ぎると、一本道に出ました。
そして進んで行くと看板が見えました。どうやら儀式の前に体を清める場所で聖域ということで立ち入り禁止になっていました。看板の先をのぞいて見てみると確かに、なにかを秘めているような雰囲気がありました。
見えないけれど何かがあるような、そんな空間。
久高島 https://www.okinawastory.jp/about/around_area/kudaka
「うちなーぐち(沖縄語)」に出会う
看板や新聞であまり馴染みのないカタカナの言葉を多く目にしました。日本語なのに分からない言葉があるというのはあまりない体験ですね。
たとえば「ユンヂチ」。
閏年は旧暦で13ヶ月あり、ご先祖様は12ヶ月しか目を向けないのでその隙に墓を修繕したりするのだとか。
こういう話からも、旧暦の時間軸が沖縄の人々の暮らしの中にあることが分かります。
旧暦と新暦を行き来する生活は沖縄と台湾で共通しています。
台湾や中国福州との繋がり
琉球王国は14〜15世紀に中国や東南アジアを結ぶ中継貿易で栄た王国でした。
各地と航路で結ばれ、中国からいろんな文化がもたらされたのです。
台湾で非常に親しまれている媽祖様の廟の跡がありました。
今回は行けませんでしたが、他に孔子廟もあるそうです。
書店のご当地本コーナーも楽しい
沖縄は自分が持っていた日本の知識では理解や推測ができない部分が多くありました。いろいろ湧き出た疑問を解きたくて本を3冊も買ってしまいました。
県庁前駅すぐのデパートりうぼう6Fにある書店はご当地本コーナーも充実しているので、帰りに寄ってみるとよいですよ〜。
最後に
沖縄に台湾や中国との繫がりの痕跡をみることで、かつてそれぞれが海で密接に繋がっていたということを体感できました。今私たちは沖縄中国台湾を国家という枠組みで考えてしまいますが、その昔は人々はもっと広い世界観で繋がって生きていたと思うのです。
沖縄も、中国も、台湾も今よりももっと交流が盛んだったのではないか、と。
また、沖縄は日本ではあるけれど、見慣れないものがたくさんありました。
花ブロック、石敢当、シーサー、うちなーぐち、缶のスパム、食べ物や土地の名前など。他にもそこから見えてきた信仰や思想、時間軸など。
ここまでたくさん見慣れないものを見つける体験は他の日本の地域ではありませんでした。
沖縄は現在は日本の一部であり経済的にも政治的にも日本の枠組みの中にあります。しかしながら沖縄の人々の思想や文化、慣習、死生観などは彼ら独自のものであって、それを無視して日本という枠組みの中で十把一絡げに語ることはできないなと感じました。
自分が持っている日本の文化や歴史の知識では推測や解釈ができない場所が日本にあるなんて、日本もまだまだ面白い…。
(2020年3月5日〜7日訪問)
次回行きたいところ
沖縄戦と基地問題については沖縄を知る上で押さえておきたいところですが、今回は行けませんでした。
ひめゆり平和祈念資料館 http://www.himeyuri.or.jp/JP/top.html
旧海軍司令部壕 http://kaigungou.ocvb.or.jp/top.html
参考書籍