どうも、コヤマです。
原子力発電所が台湾には4箇所ありまして(稼働中は2箇所)、野柳という奇岩で有名な観光地のすぐ近くに台湾第2原子力発電所があります。
この台湾第2原子力発電所には原発に関わる資料館があるということで行ってきました。
原子力発電について学ぶため台電北部展示館へ
台北から基隆を経由して向かうと右手に海が見えてきます。などかな漁村の風景ですね。直通バスで1時間40分ほどで着きました。
週末に行ったのですが周辺の観光コースに入っているのか、見学客が予想外に多かったです。
館内の様子
解説は台湾の発電の歴史から始まり、電気の歴史、原発の発電の仕組みなどが書かれていました。
清の時代から電気があり、日本統治時代に実用化され、国民党の時代から発展を遂げたとのことです。
台湾第二原発の取水口と排水口の位置が分かる図
原子炉の模型
入り口正面に2分の1の大きさの原子炉の模型が置いてありました。
ライトが当たった様子は、すぐに動き出しそうな怖いロボットのようです(映画「ドラえもんズ ロボット学校七不思議」に出てくる巨大コンピューターを思い出した)。
同じ電気量を発電するのに、石油が2000L必要なのに対してウランは1gという模型。
右側の台の上に乗っている黒い粒がウラン1g。
じつは台北から20kmほどの近さにある!
第二原発の半径8kmの範囲が赤い点線で示されています。左下に見える内湖や南港は台北市内です。
実は台湾第二原発から台北まで20km程度なんです(東京駅から吉祥寺くらい)。結構近いですよね!?
こんなに近いとは思いませんでした。確かに、台北からバスで2時間もせずに来れますし車であれば40分ほど。これは何かあった時には大きなリスクを伴う距離です。
もし”万が一”のことがあったら、首都への影響は必至です。
福島第一原発事故について大きく取り上げられていた
大きく目を引いた展示が、福島第一原発事故についてです。
日本で事故が起こった後、台湾でもかなり大きく取り上げられましたし、気になるところだからでしょう。
福島第一原発と台湾第二原発の比較がされていました。
福島にはなかった、事故を防ぐための設備が台湾のにはありますよという風に見える図。
ちなみに、福島第一原発事故の発生後台湾でも原子力発電所の存続について大きな議論を呼びました。それにより着工済みであった台湾第四原発計画は凍結されました。
現在台湾は原子力発電所は原発ゼロの方向に向かっています。しかしながら電力への安定供給に不安は残ります(台湾の供給内訳で原子力は11%)。
台湾の発電の供給内訳は火力81%, 原子力11%, その他8%(2019年)。
日本は火力75%, 原子力6.5%, その他18.5%。
参考 經濟部能源局 file:///Users/kanako/Downloads/wHandWebReports_File%20(2).pdf
認定NPO法人環境エネルギー政策研究所 2019年(暦年)の自然エネルギー電力の割合(速報)
まとめ 日本の原発のことを考えた
私の故郷である新潟にも柏崎刈羽原発という世界最大の原子力発電所があります。
身近にあったのに、原子力発電所について学ぶことがなかったので今回資料館に行って勉強がしたいというのがこの訪問のきっかけでした。
海沿いの道路から台湾第二原発を探そうとしても分かりにくかったことが印象に残っています。柏崎刈羽は海のすぐ近くにある大きな施設なのですぐ分かるのです。
つまり陸に少し入ったところに作られているということ。これは資料館訪問後に分かるのですが津波対策でもあったんですね。
台湾第二原発は1974年、柏崎刈羽原発は1978年に施工が開始されています。ほぼ同じ時期です。同じ地震大国でも違うものなのですね。
ちなみに私が小さいころはよく原発を宣伝するローカルCMが流れていました。今では信じられないですが。
この頃なんだか 地球君 元気がよくないみたいだよ(地球温暖化のイラスト)
どうしたのかな?
火力君がヒーフーハー(発電をしている様子のイラスト)
水力君もヒーフーハー
そしたら原子力君が 「ぼくもう少し頑張れるよ」(元気に登場する原子力発電)
ラララ よかったね
(1990~2000年代頃に新潟県内で流れていたCMより)
このCM、見たことある人いますか?
私の地元学校では原発について教育は特にされてませんし、考えないように育てられていたんだなと思います。
参考
台湾揺れる脱原発路線 大停電で供給不安、建設再開巡り世論二分 (西日本新聞)
台電北部展示館への行き方
<台北駅から>
國光バスターミナル(國光バス専用バスターミナル)から台北駅始発の1815線で台電北部展示館で下車。
所要時間1時間半ほど。
<台電北部展示館>
住所 新北市萬里區野柳里八斗六十號