台湾に住んでいると、たまにラッパや太鼓、爆竹の音を耳にします。近くにお寺があって、そこから音がするんですね。パンパンパンと響く爆竹は賑やかな感じがして私は好きです。
台湾には仏教に限らずいろんな種類のお寺があるのですが、その中で媽祖という神様が大変人気です。媽祖は海の守護神として知られていて、年に一回各地でお祭りが開かれます。
中でも台湾中部の台中で行われるお祭りは9日間もあるお祭りで、媽祖を信仰する人達が大勢集まり、なんかもうすごいことになるらしいと聞きました。
そんな話を聞いたら行くしかないですよね。ということで行ってきました!
媽祖とは
媽祖とは、航海・漁業の守護神として、台湾で広く信仰されている道教の女神です。
旧暦3月の媽祖の生誕祭には、台湾各地で神輿の巡幸が行われます。
中でも、大台中市大甲區にある鎮瀾宮の大甲媽祖遶境進香(大甲媽祖巡行)は最大規模の行事で、媽祖の乗った神輿が台中~彰化~雲林~嘉義に跨る340キロ以上の道のりを練り歩くんです。
台中の大甲媽祖巡行
毎年台中で行われるこの「大甲媽祖巡行」は世界三大宗教行事の一つに数えられ、毎年百万人を超える人々が訪れるといいます。
見どころ
1.媽祖様の神輿を見る
やはり一番の見どころは媽祖様ですね。
媽祖の神像をなでると無病息災などのご利益を得られるということで、媽祖の神輿の周りにはもう人人人。爆竹も所構わず鳴るので、耳が痛いです。
待つときは長いのですが、通り過ぎていくのはあっという間です。人混みで上手く写真も撮れませんでした。よい写真を撮るには早めに行って良い場所を探しておくとよいと思います。
2.媽祖様を待つ人々の様子を見る
神輿をくぐると縁起がよいらしく、みなさん長い行列で待っています。2~3時間待っている人もいたのでは。道ばたで待っている人を見るお祭りは日本にはないですよね。
3.廟に行く
廟は、普段媽祖様が奉られている場所です。媽祖様は廟に立ち寄るので、廟に行って媽祖様を待つというのもアリです。ただ、媽祖様は徒歩で担がれてくるので、待っても待っても来ない可能性があります。
4.信者の方々と一緒に歩いてみる
歩いてみると、観光客の視点からとはまた違った風景が見えてきます。
私の場合は、台湾のおもてなしに心を打たれました…。詳しくは後述の「楽しみ方」にて。
音楽を流してお祭りを盛り上げる車たち。
ダンサーの方々も盛り上げるために参戦していました。
媽祖様を見る場合のポイント
媽祖様は決まったルートを担がれて徒歩で移動しているので、追いかけるか、先回りするしかありません。
ただ、ホームページに何時に媽祖がどの場所に行くのか書いてはあるのですが、時間通りには来ませんでした。なので、媽祖様を拝見したい場合は先回りして待つより、追いかけて媽祖様に会いに行った方がいいです。
参加の仕方
先述しましたが、媽祖様を拝むだけでなく、一緒に歩いてみると楽しいです。是非、時間があったら歩いてみてください!申し込みなどは不要なので、歩く人々を見かけたら一緒に歩きましょう。
巡業は9日間あるといっても、全部行かなくても大丈夫です。都合のよい日と時間に行きましょう!
【巡業参加パターン】
・早朝から夜まで一緒に歩いてみる(日帰りコース)
・2,3日間歩いてみる
・9日間ずっと歩いてみる
楽しみ方
なんと、このお祭り、媽祖を信仰する人達が巡行する人達のために食べ物を振る舞ってくれるんです!歩きつつ、お供え物をいただくとすごく充実感がありました。
お水やジュース、パイナップル、スイカ、お昼ご飯…。
本当に多くの人達が無料で食べ物を振る舞っていて、台湾の人達の信仰心はすごいなと感心します。
お水配ってます。カメラを向けたら笑顔で返してくれました。お母さん達が元気な土地っていいですよね。
雞蛋糕。人形焼きのようなお菓子です。
スイカ!
なんとお昼ご飯まで!媽祖様が来る前に腹ごしらえ。
甘い物が食べたいな~と思っていたらパイナップルが!しかも熟してて甘くて美味しい~。
ゴミは近くのゴミ箱へ。
まとめ
巡行する人達の多さと、食べ物を振る舞う方々を見て媽祖様の人気ぶりがよく分かりました。日本でこんなに人気の神様っているでしょうか。台湾人の信仰の厚さを感じました。
ただ、案外媽祖様があっさり通り過ぎてしまったことが…。なんとも…。媽祖様が来るのを待ちつつご飯を食べたり、パレードの様子を見るときが一番楽しかったです。
爆竹を鳴らした後。燃えかすがこんなに!
Information
『大甲媽祖遶境進香(大甲媽祖巡行)』
場所 台中市→彰化市→雲林市→嘉義市
時期 毎年旧暦の3月23日頃