九龍城寨のかけらを街中で見つける−2025年香港

02.マニアック紀行

初めて香港を訪れてから1年。再び香港に行ってきました。
私が同じエリアにこの短期間で2回も行くなんて、よほどでないと行きません。
そう、それくらい香港は魅力的な場所なのです…。

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チーム香港の皆さんとの邂逅

今回はご紹介をいただき、在香港のみなさまと夕飯をご一緒させていただきました!
このお店、九龍城寨跡のすぐ近くにあり、なによりお店の外が映画(後述)で使われているのです!

このチーム香港のみなさんとの邂逅が、私には非常に衝撃的でした。
話を聞くと現地日本人社会の雰囲気が全然違うらしいのです。

台湾の日本人社会はわりとお互いに干渉しない雰囲気です。存在は知っていても交わらず、それぞれの生活圏で生きているような。

でも香港はいろいろあった中でここまで残った人々なので、一体感があり仲良くしていると…。それは見ていても分かりました。これは大変カルチャーショックでした。

二階建てのバスで九龍城から油麻地へ

食事の後に帰りがてら香港観光に行くことになりました。

すでに22時ですが大丈夫、これからが本番の場所があるとのこと。

バスに乗って移動しました。

この路線も映画で使われた路線じゃないの!?と予想外のロケ地巡りへ。

油麻地果欄(フルーツ市場)を巡る

着いた先は道路にところ狭しとフルーツのダンボールが積まれた市場。

業者の方々が荷下ろしのため台車を忙しそうに動かしています。

ここは大きな道路なんですが、普通にダンボール箱が積まれてます。こういうところに人々のエネルギーを感じますね。

台湾のグアバが!

見覚えのあるマークと思えば青天白日旗!

卸売だけでなく一般客向けのエリアもあります

強豪校選手たちとの合同練習みたいだった…

チーム香港のみなさまの和気あいあいな雰囲気の中に入れてもらい、まちあるきをしたわけですが、他校の強豪校の練習にまぜてもらった感覚を覚えました。

何気なく見る建物に対しても香港に対する愛情を感じます。愛情だけでなくみなさんそれぞれ香港に関わる活動をしていて、そういう点でも強さを感じました。

普段個人練習のみをしている自分にとって、強豪校選手たちとの合同練習は、志や熱量の部分で得るものが大きかったです。

安宿に泊まる

旅先での宿は大体日本円で一泊5000円くらいに抑えて、食事を楽しみたい派です。

香港だとこういうベッドしかない空間の宿になりますが、最低限清潔であればモーマンタイ。

ちなみにこの宿はゴキブリの糞や蟻がたくさんいて、清潔という点ではもう落第点でした。

しかし、よかったのは建物の廊下からの景色!これぞ香港という光景でその点は当たりでした。

 

人々の生活感が浮き彫りになる空間に引き込まれます。

衝撃!西多士(フレンチトースト)は午後から!

西多士(フレンチトースト)を食べるために入った茶餐廳(喫茶店)。

一箇所目では朝メニューのみで西多士は午後からと言われ、他の店でも朝は朝メニューのみ。
諦めて普通の朝ごはんを食べることにしました。

最後に入った店でも朝は西多士がないことを確認してがっかりしていると相席になったご婦人が話しかけてくれました。
香港人で、英語の発音がとてもきれいです。アッパーミドル層な雰囲気が漂います。

せっかく現地の人と話せる機会なので最近流行っている北上消費(香港の人が物価の安い中国に行って買い物や食事をすること)について聞いてみます。
多くの人が週末に中国に行ってマッサージをして食事をして返ってくると話してくれました。
中国の深圳の物価は香港の半分。片道1時間、出入国も自動化ゲートを使って簡単にできるので、行きやすいようです。

食堂にQRコード注文がない

金華冰廳の菠蘿油(バター入りサクサクパン)とミルクティー

香港の茶餐廳は朝ご飯からアフタヌーンティー、夕飯までも出している万能な喫茶店・食堂です。

3食も休み時間なく提供しているのは、それは地価が高すぎるため、食堂を稼働させ続けないと元が取れないという理由があるそうです。
お値段は地価に対してそこまで高くないので回転率が肝になります。食べ終わったお皿は速攻下げられます。1人で行くと他の人と相席になるのは当たり前。それくらい効率性を重視しているのです。

でも不思議だったのが最近日本でも普及してきたQRコードでの注文が、香港ではほとんど見られなかったのです。
IT部分では香港は進んでるはず。

店員が注文を取るスタイルのほうが茶餐廳では合理的だから今の形になっているんですかね…。
メニューを見て注文する場合なら、選ぶのに時間がかかっている人に声掛けもできますし、おすすめを言って単価を上げることもできます。

注文と会計で店員が時間を取られることよりも、回転率を上げるほうが大事という結果なのかなと。それとも他に何か要因があるのでしょうか…。

金華冰廳の隣にあった中国資本のドリンクスタンド

「安全」

住宅街に通じる駅の歩道橋を歩いていたらポスターが目につきました。

中国大陸の図。天安門ぽい図。
国家安全法制定から5年とのこと。

香港はこの5年でものすごく大きな変化があったことと思います。

観光地を歩いただけでは私にはその変化が分かりませんでした。初めて香港に来たのは去年ですし、以前との比較もできません。

しかし、突然現れたこのポスターによって、確実に存在したこの5年という月日に気付かされました。

映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦」のセット展示へ

今回香港に訪れた目的は映画の撮影セット展示のためでした。
1980年代の九龍城寨が舞台で多彩なアクションとキャラが魅力の香港映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦」の撮影セットの展示が行われていたためです。

会場の商業施設AIRSIDEの第一印象は、久々に日本人観光客の多いところに来た!という感じ。

普段暮らす台北もそうですが、それ以外の観光地(バンコクやクアラルンプール、ペナン等)でも日本人観光客に遭遇する確率は低めです。
どこに行っても日本人よりも韓国人観光客のほうが存在感があります。

でも今回の香港は違いました。

日本人の二次創作のすごさ

AIRSIDE展示の展示に来ていたのは7割程日本人だったのではないでしょうか。
今回の映画はキャラがとても魅力的でファンの間で二次創作の作品が作られ、大変盛り上がっています。

私も台湾で映画を見たときに面白いなと思ったものの、香港にまた飛ぼうと思うまでではありませんでした。ただ日本で上映が始まり、ファンの方々がSNSでファンアートをシェアするようになり、映画で語られなかった背景が肉付けされて奥行きを感じられるようになり私も映画への想いが再燃したのです!

この映画は香港だけでなく台湾、中国、韓国でも大人気でファンアートが生まれましたが、やはり日本人たちの熱量や質には圧倒的な差があります。日本のソフトパワーはアニメだけでなく、こうした二次創作の力も圧倒的なのだなと思います。

トワイライト・ウォリアーズの撮影セットのAIRSIDEでの展示期間はすでに終了しています。近くの九龍寨城公園に移設予定とのことです。

ほんものが街中にある香港

こちらのAIRSIDEの展示、大変素晴らしかったのですが、あまりに人が多くてゆっくりできず…。
実際に来てみるとセットの臨場感はすごいなと関心する一方で、以前川崎ウェアハウスで見た時のような心が震える感激とはちょっと違うなと。

なぜかと考えると、
既に前日から香港に入り、香港の古くからのレストランに入り2階建てバスに乗って移動し伝統卸売市場を歩き安宿に泊まった私は、既に本物に触れていたのです。

香港では新しいお店(中国大陸資本)が出てきたり、人口の入れ替わりはあれど、
少し中に入れば、映画のような風景が、市政の人々の暮らしを垣間見える場所が、街の中に残ってる。そこが魅力なんですよね。

おまけ:香港の風景

紅磡觀音廟:1873年建立のお寺

お寺近くの線香ショップに売っていた子ども向けのおもちゃのようなもの。

中華文化ではものを燃やしてそれを天にいるご先祖様に送る習慣があるので、ご先祖様に送るグッズと思われる。

それにしても、歯磨きセットからマクドナルド、お化粧セットまで守備範囲が広いです。

子ども用雑誌の付録を思い出しましたね。手荷物に余裕があったら一つ買っていきたかった…。

流浮山:香港郊外の海岸

向こう側に見えるのは深圳のビル群。

今回の旅行で心残りがあったとすればそれは食べ物ですね。
西多士(フレンチトースト)を毎日食べたかった…。
エビワンタンをもっと食べたかった…。

台湾に戻ってから、エビワンタンを探し求める旅が始まったのはまた別の話。

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