台湾には、日本統治時代に日本語教育を受けたお爺さんお婆さんたちがいます。(以下、日本語世代という)平均年齢は80歳を超えます。
日本語世代だからといって、全ての方々が日本語を話すわけではありません。しかし中には、今でも日本語で短歌を詠む人達がいます。
台湾には日本語世代の方々が集まる会がいくつかあります。今回はそのうちのひとつ「台湾歌壇(たいわんかだん)」にお邪魔してきました。
台湾歌壇とは
2017年で50周年を迎える、短歌を純粋に楽しむことを目的として設立された会。台北で毎月第四日曜日に開催されており、日本語世代の台湾人を中心に、日本人や台湾人の若い世代もメンバーにいます。
どんな人達が参加してるの?
受付を済ませると、会員の皆さんが詠んだ歌の一覧を手渡されました。そこから2首選び、会食をしてから、歌の感想を述べ合うという流れです。会の進行は全て日本語です。
参加者は日本語世代の方々が主
参加している方々は80歳以上の日本語世代の方々が主で、それ以外に台湾在住の日本人や、旅行で来た日本人、台湾の大学に通う日本人留学生、台湾人の大学生などがいました。ほとんどが日本語世代の方ですが、台湾の若い人も何人か参加していて、年齢層は幅広いです。
参加者のみなさんは集まると仲良く談笑されていました。50年も続く会ですから、長い付き合いの人達もいるのでしょう。
司馬遼太郎さんの『台湾紀行』で「老台北(ラオタイペイ)」と紹介されている蔡焜燦(さいこんさん)さんにもお会いできました!台湾歌壇の代表を務めておられます。本にできてきた人だ!と勝手に興奮してしまいました。
学生時代の甘酸っぱい思い出で盛り上がる
同じテーブルになったお爺さんは、とってもハンサムな方。京都大学を卒業した後、台湾に戻ってきて仕事をしたというなかなか苦労をされている方です。
とても気さくな方で、日本で過ごした学生時代の艶っぽい思い出を話してくれました(笑)一緒に話を聞いた日本から来た青年も、「男には、そういう思い出もありますよねえ。」と盛りあがっていました。
短歌って、面白いかも!
参加者のみなさんが詠んだ歌を一首一首読んでいくと、その詠まれた情景が目に浮かんできました。詠んだ人が見たものや、感じていたことが言葉に凝縮されています。見て感じたことを描写するのは、文章も短歌も同じなんですね。
こんな短い文なのに、風景が浮かんでくるなんて、すごい!短歌ってこんなすごいものだったんだ!と興奮しました。
短歌というとなんか地味な印象しかなかったですし、難しそうというものだったんですが、今回台湾歌壇に参加してイメージが変わりました。これは、ハマるかも…。
(取材日2016年11月27日)
Information
『台湾歌壇』
開催日 : 毎月第4日曜日 11:30~15:00
開催場所:台北市内会場
ホームページ : http://www.taiwankadan.org/